和名:向上性優越感情型人間兵器。正式名称『IDoLA(Improvement Dominance-emotion Lethal Army)』と呼ばれる人間兵器を指す。
世界統一戦争と近年呼ばれる現在行われてる戦争の中、アイギス帝国が生み出した兵器。
自分に沸く特定の感情。または他者の特定の感情を感じる事に快楽を覚え、著しい細胞の活性化を促し驚異的な身体能力を生み出す感情を利用した最悪の兵器。ある特定の感情が高ぶることで身体能力及び肉体の硬質化。再生力の向上などが見られる。
ただし、IDoLA化は細胞に著しい負担をかけるため30までにIDoLA化されたものは50まで。30~40まではIDoLA化から15年前後。40以上にIDoLA化したものは負担が大きくなり5年と持たない。そのため最近では10歳前後のIDoLAもいるほど若年化が進んでいる。
また、適性が必要なため適性が無いものがIDoLAになることはできない。適性が高ければ高いほどIDoLAとしての能力値は高くなり知能及び身体能力等が適性クラスによっては圧倒的な差が生まれる。
適性クラスはS~Dに加えVクラスという特別枠を含めた計6クラスに分けられている。多くはDクラスであり、Dクラスの半分ほどにCランク。Cランクの三分の二程にBランク。AランクはBランクの三分の一程度しかおらずSランクともなればAランクの四分の一程度とかなり稀。
それ以上としてVランクは完全適性とも呼ばれ、Sランクと比較すると十分の一。現在Sランクは60人前後居るとされるが、Vランクは世界に6人しか存在しない。
この兵器は特殊な人工細胞。感情刺激型支配細胞、通称『エゴ細胞』を使った兵器であり適性がなければ投与しても激しい心臓の圧迫感と共に狭心症。または心筋梗塞を引き起こして死亡してしまう。
かつては犯罪者等から適性者を選び兵器にしていたが、現在では適性検査が確立されており選出によりIDoLAとして選ばれることが多い。
しかし、今でも犯罪者や身寄りのない子供等を利用してのIDoLA化が行われている。特に、最近の研究で子供の様に感受性が豊かな人間ほど適性が高い傾向が有ることが分かっているため帝国でも密かに子供を使った兵器化も行われている。その上で入隊募集も10歳以上歓迎とかなり低く設定されている事。軍事学校も初等部からある事からIDoLAの若年層の適性者選別に躍起になっている。
適性の法則性は未だに研究段階ではあるが、その第一として感受性が高い事。または何かに貪欲である傾向がある事が分かっている。そのため帝国の支配統一国家に野望を燃やす者や、映画を見てはすぐに涙を流す者が選別され適性検査を行われることも少なくない。
だが、このエゴ細胞によるIDoLA化は人間の他細胞にかなりの負荷をかけるために寿命を縮めることが分かっている。具体的には20歳にIDoLA化した者が40代になる頃は肌や見た目こそ年齢相応だが筋肉の劣化具合や内蔵等はかなり劣化してしまい、80代前後相当にまで劣化する。その上でエゴ細胞によって無理に動かしているため大体45~50の間。よくて60歳前後には身体細胞の劣化により寿命を終えてしまう。
帝国はこのIDoLA化をさせるエゴ細胞の異常性を理解している上で運用しており、その事から帝国は「人間の感情を利用する非情な国」と反帝国連合国から評されている。
エゴ細胞は正式名称『Emotion galvanize obsession Cell』となっており、その最初の三単語の頭文字と細胞を意味するCellを組み合わせた名前になっている。Emotion(感情)をGalvanize(刺激)しObsession(支配)するCell(細胞)という意味であり、この細胞によって驚異的な身体能力を生み出している。
この細胞は首から上に投与することが義務付けられており、その部分以外の場合は効果が出ない事が分かっている。細胞は打たれたあと血管を伝って脳に最初到達し、その時に被検体が抱いている特に強い感情状態の環境に適応・順応し進化する。この時、首から下に投与してしまうと脳に達成するまでにエゴ細胞が死滅してしまうことから、首から上に投与することが義務付けられている。
細胞が進化したあとはこの順応した環境にするために被検体へ投与時の感情になりやすいように働きかけ、その特定の感情が強くなればなるほど細胞が活性化。活性化した細胞は様々な他細胞に活性化及び再生力を促し、これにより高い身体能力や持続力。自己再生力を生み出す。
しかし前述通りエゴ細胞は周りの細胞を無理に活性化させているため、エゴ細胞以外の細胞の老朽化を早める結果となる。20代までの投与なら最大60歳前後。30代までなら50代中盤。40代、50代に投与した場合は5年前後の命になってしまう程、体への負担が大きい。この負担は適正レベルが高くとも低くとも避けられないものであり進行を抑えようとも、トリガーが感情になっている上に活性化に必要な感情を引き起こしやすい体質になっているためどれほど意志の強いものでも、感情に左右され活性化とともに細胞に負担をかけてしまう。
細胞の活性化は内部に引き起こされているため見た目自体に支障はないものの、内蔵や体内細胞の年齢は80、90代相当にまですり減らし寿命を迎える事になる。これでも初投与された10年前より遥かに改善されており、当時は20歳に投与すれば40歳までは生きられないというほど負担がかかっていた。
IDoLAはその適性によってクラス分けされておりS~Dに加え、Vクラスというのが設けられている。
またクラス分けには期待値が付けられている。クラスが高ければ高いほど戦闘力や知力、再生力等がより高くなる。
以下表は、そのクラスによっての戦闘力と再生力、知能の一覧となる。
戦闘力 | 知能 | 再生力 | |
Vクラス | 一軍(5万~10万人以内)の戦闘力を保有し、一人で国を陥落させると言われる。 | 連隊以上の指揮官を任せられるレベル | 脳さえ残っていれば半日で回復。 銃弾一発であれば1秒以内に回復。 |
Sクラス | 一連隊(500~5000人)程の戦闘力を保有し、一人で基地を落とせる。 | 大隊指揮官を任せられるレベル | 四肢と体半分を吹き飛ばされても一日で回復。 銃弾一発であれば数秒で回復。 |
Aクラス | 一大隊(300~1000人)程の戦闘力を保有し、一人で戦艦を制圧できる。 | 中隊指揮官を任せられるレベル | 腹から下が潰れても3日前後で回復。 銃弾一発であれば数分で回復。 |
Bクラス | 一中隊(60~250人)程の戦闘力を保有し、一人で戦車を素手で破壊する。 | 小隊指揮官を任せられるレベル | 四肢をもがれても5日前後で回復する。 銃弾一発であれば30分で回復。 |
Cクラス | 一小隊(30~60人)程の戦闘力を保有し、一人で装甲車を走行不能にする。 | 分隊指揮官を任せられるレベル | 腕が食いちぎられても一週間で回復する。 銃弾一発であれば1時間で回復。 |
Dクラス | 一分隊(8~12人)程の戦闘力を保有し、一人で軍用トラックを跳ね返す。 | 班や組を任せられるレベル | 骨が粉々になっても半月で回復する。 銃弾一発であれば半日で回復。 |
※戦闘力は最も感情が高ぶっている時を指標にしています。
※知能は投与し、安定後に3日程の自己学習で得られるレベルになります。そのためSクラスであっても連隊以上の指揮官を務めるIDoLAもいます。
※再生力は感情の起伏によって多少前後します。また、どのクラスであっても心臓に銃弾一発程度であれば回復可能です。Aクラス以上であれば心臓が完全欠損した状態からでも回復します。
※IDoLAの命は脳の中心近くの大脳辺縁系という部分です。ここさえ残っていれば大抵の傷を回復し、完全復帰が可能です。